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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第120号        ’01−12−21★

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     TDL雑感     

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●116号に付けた<写真>が

 

ディズニー・ランド(以下、略してDL。 同様、ディズニー・シーは

DS)でのスナップだったのはたまたま。 今回東京DL(TDL)に

ついて書くための布石、とするつもりだったわけではありません。

 

ただあの後(これもたまたま)TDLで1日を過ごし、徒然なるままに

本家DLとの違いを考えました。 それならメモ代わり、まとめておく

ならここで、と。

 

 

たまたま(だらけ、ですな、我がB型人生は)ご近所に長くディズニー

関連で事業を営んで来られた方がお住まいで、家族ぐるみのお付き合い。

そちらのご好意で、TDL体験はきわめて早く、初回は1983年、

 

4月15日公式開園直前の3月30日" Special Preview Day "。一家6人

ワクワクと招かれました。 飲食等一切無料の大盤振る舞いで、最大限

どのくらい? の販売量測定も兼ねていた由。

 

もちろん混んではいなかったので、アトラクションの主立ったところは

すべて楽しみ、本家DLソックリの作りであることがよく分かりました

が、食べ物類は質・量とも、いかにも<日本的>。  まあ、仕方ない、、

 

*   *

 

以来、カミさんの兄妹たちに誘われることもあって十数回。 常連6名、

合計年齢400歳。 中で私はやや異質、食事のほかは単独行動させて

もらう慣わしです。 楽しみ方が違うというか、実は<楽しんで>ない。

 

何しろ気になることが多い。 第一がタバコ。 目にシミる、喉を刺激

する、何より匂いが下品。 しかも漂う煙は避けようが無い。 子供を

客とする場所、禁煙にすべきではないのかね? 

 

もちろん吸っているのはオトナ。 子供たちの前でタバコなんて、教育

的じゃありませんね。 親子連れの場合、つい親の顔を見つめてしまう。

女性の喫煙が増えました。 両親でプカプカなんて、許し難い。

 

いつからこんなにひどくなっちゃたんだ?  そこで今回、帰宅して

 

*   *   *

 

前記" Special Preview Day " に撮った写真を見直すと、、 おやまあ、

昼食のテーブルに灰皿が写っているではありませんか! つまりTDL

は当初から<禁煙>じゃなかったんだ、、 あの日はみんな走り回って、

タバコを吸う人も稀だったか、私も気付く暇すら無かったか、、

 

しかし、本家ではどうだったかな? と思ってそれも点検したところ、、

その目的で撮ったわけでなかったから当然だろうけれど、役に立つのが

見付からなかった。  で、どなたかにお尋ねしたい。

 

「アナハイムの本家DLへ最近いらっしゃった方、<場内禁煙>でした

か?」  何せ手元の写真が古い。 初めて訪れたのは1964年9月。

 

その頃アチラはすでに「肥満体は役員になれない」国になっていました

が、空港や食事の場所で喫煙者を見かけることは未だあり、ジェット機

内に NO SMOKING セクションは設けられてなかった。 DLが<禁煙>

だったかどうか、記憶なし。 ただ、

 

撮りまくったのに、喫煙者や吸い殻入れに類するものが写ってないこと、

タバコの煙に敏感な私が何の不愉快も感じなかったことから、<禁煙>

だったのではないか、と思うだけ。 子供!で目の色が変わりますから

ね、アチラは。 ダメ親もダメオトナも、コドモの前では一応マトモを

装います。 まして健全清潔!のDL、タバコを認めるとは思えません。

 

本家DLへの2度目は1979年8月。 4人の子が大、高、中、小、それ

ぞれに進学した記念の家族旅行でした。 念のため一同に、DL園内で

喫煙を目撃したかを確かめましたが、残念ながら全員、明確な記憶無し。

 

その15年の間に禁煙条例は全米化していたので、街頭でのスナップに

も歩きタバコなんか写っていなかった。 DLが例外であるはずが無い。

 

それからさらに20年余を経た今、タバコへの風当たりが強まるばかり

のアチラで、あのDLが園内喫煙を許すことはまず無い、でしょうな。

 

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●じゃ、メールで、

 

とサイトを調べたら、、おや、TDLもオリエンタル・ランドも、いや

本家DLさえも、メールを受け付ける仕組みになっていない。  意外。

 

ただ12月初め頃、TDLのHPに「ただいまアンケート中!」という

ボタンを見付けたので、試みにクリック、、 してビックリ。 綿密と

いうか、まあ項目数の多いこと。 じゃ明日にでも、、が間違いだった。

数日後にはもう消滅。 あれれ?!

 

 

しかしタバコ臭いDLなんて、あって良いのか? と疑い始めたその時、

(またもや)たまたま、岩波新書132 能登路雅子著「ディズニーランド

という聖地」に出会い、<あって良い>わけ無い、と確信しました。

 

たとえば p.53、

 

 「、、ディズニーの遊園地でピノキオらが熱中するのは、飲酒、喫煙、

  玉突き、建物破壊といった子供らしからぬ悪徳行為である。」

 

1940年公開の映画<ピノキオ>についての記述で、「これほどの敵意を

こめ」た描き方、とされているように、<喫煙>はディズニー好みでは

ないのです。 また p.78、

 

 「、、ミッキーマウスは、、汚らしい現実のネズミ族とはちがって、

  、、ディズニーの作品世界の大きな特色は、自然の徹底的な否定と

  狂信的とさえいえる衛生思想なのである。」

 

そして p.80-81、

 「すべての要素がつねにベスト・コンディションに保たれているDL

  において、枯葉やしおれた花はタブーである。 、、、、 危険な

  動物もばい菌も悪臭も、ここでは文明人の快適と娯楽のため、徹底

  的に飼いならされ、無菌化、無臭化されている。」

 

到底、園内で喫煙が許されるとは思えませんな。

 

*   *

 

TDLで許されているのは何故? 多分、TDLであってDLではない

から、でしょう。 「〜のようではあるが、それではない」、<似て非

なるもの>だから、に違いない。  そのTDLは、 

 

 「、、京成電鉄、三井不動産などの出費により設立された不動産会社

  オリエンタルランドの誘致に応じたディズニー社が、、、ノウハウ

  を日本に持ち込んだ結果、生まれたものである。」 p.226

 

オリエンタルランド社は特許使用料を支払いつつ経営するものの、契約

はやむを得ず物質的側面しか規定し得ないものだし、本来が営利目的。

 

 「アメリカにおいては聖地であるDLも、日本においては精神性を

  ともなわない巨大な娯楽・消費空間だから、、」 p.234

 

一刀両断、同感です。

 

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●この本は1990年発行なので、

 

著者の近況を検索すると、、おお、今は東大大学院教授であらせられる。

イチョウ印にはすぐ反発したがる私ですが、このお方は別。 その知る

ところは広く、観るところは深く、行なうところは現実的、記述は簡に

して要を得、、 稀なるホンモノの人、とこの1冊で感じました。

 

 

ディズニー、及びDLに関する本は何冊も読みましたが、マネジメント

的興味が主。 もちろん参考にはなりましたが、自分がDLに惹かれた

原因?を推定する材料を授けてくれたのはこの本が初めて。

 

「DLの物語世界を貫く第一のテーマは、過去のアメリカに対するノス

タルジア、」(p.85)で、ウォルトが生まれ育った場所と時代を美化温存

する構築物だから、マーク・トウェインの影響や画家ノーマン・ロック

ウェルとの類似性は必然、、と説かれれば、アチラに前世があったよう

に感じている私にはピンと来ます。

 

*   *

 

しかし、そんなDLを構築するに至った根源的理由が、何と彼の幼少時、

実の父親に強いられた厳格どころでない、ほとんど虐待とも言える生活

様式にあった、、 とはこれまでのどれにも書かれていなかった。

 

能登路教授はウォルトの伝記(ボブ・トマス著)を共訳したこともあり、

文化人類学専攻者でもあるので、そうした人格形成過程への観察は鋭い。

<限りなく明るく、楽しく、清潔な、>とDLを見ておられた人たちに

是非ご一読願いたい本である。

 

SF作家レイ・ブラッドベリの「映画のもつ完全性と芝居の臨場感」と

いう指摘を引用し、映画制作者だったウォルトの<企み>を解くところ

も説得的。 だからツクリモノでなくてはならない、ロボットでなくて

はならない、客の動きをコントロールしなくてはならない、、 ウーム、

 

あまり楽しんでもいない私が惹かれ、歩かされ、、 などしていたのは、

その魔法のせい。 たとえば、感心していた入園者の大群を捌く技術も、

 

<混んだら整理しよう>ではなくて、初めから<こう動かそう>の設計

だったのだから、<将棋倒し>や<圧死>になるわけが無い。 混めば

混んだなり、それ自体をアトラクションの一部にしてしまう仕掛け、、

 

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●尤も、今回(11月30日)は

 

DS開園の影響か、学校の冬休み前だからか、それとも不景気のせいか、

ガラガラ。 お馴染みのは全て一巡、スペース、ビッグサンダー、スプ

ラッシュ、の3人気マウンテンは2回ずつ。 さすがにクタビレました。

 

気付いたのは、中国(台湾を含む)系、韓国系の団体客が(私の目には)

見えなかったこと。  IT不況の余波か?  テロ事件で、か?

 

香港DLがスタートしたらこんなかも。 TDLとしての対応は? と

心配になりました。 あんなに沢山ホテル作っちゃって、大丈夫かね?

 

 

アトラクションの新設や補強は必須だが、それより人的サービスの質を

向上させねばなるまい。 本家DLのココロに立ち返らせる必要がある。

TDLのキャストは、私が見る限り、<フツーの若者>以上ではない。

 

まず日本語すら不完全。 ヘンなフシを付けて自己満足的、また形式的。

客を楽しませる演技にはほど遠い稚拙さ。 それを放置している管理者、

<あるべき姿>を知らないのでは? <現実>を把握してないのでは?

 

踊り手たちも(ご苦労は察するが)<国産>は見劣りします。 日本的

でないコスチュームのハンデを負わされて気の毒だが、身に着かずキレ

が無い。 外人オペラの<蝶々夫人>がシマラナイのと同じ、、かな?

 

モノの要素は本家と同じでも、人間がからむ部分には大きな差があって、

<似て非>以上にはならない哀しさがアチコチに露出している。 夢を

売る見せ物、なら売り損なっていると思うが、それがTDLの限界かも。

 

*   *

 

DLのココロに触れたい方には<ワールド・バザール>の<ディズニー・

ギャラリー>をお勧めします。 時々模様替えがあり、1年前はDSの

予告紹介、今は<ウォルト・ディズニー生誕100周年記念>。

 

「すべては一匹のネズミから始まった」という創始者の回顧に基づいて、

<ミッキーマウスのすべて>、オリジナルのスケッチや資料が展示され

ており、胸にズンと来ます。 しかもTDL中唯一、<行列待ち>無し。

 

出来上がったモノを楽しむのも一つですが、それに至る歴史、プロセス

に関心を抱けば、楽しみに奥行きが加わります。 いまTDLで働いて

いる人々、特に管理職、本家DLの<プロセス>をどう学んだのやら?

 

*   *   *

 

意思決定や問題解決も同様です。 結論を突き付けられるのと、それを

生んだプロセスに参画するのと。 ずいぶん違うのではありませんか?

 

しかしフツーの人はプロセスの意識や習慣に欠け、<デキル人>に任せ

がち、頼りがち。 そのフツーを乗り越えるツールとしての Rational

Process なのですが、せっかく学んでもしまい込んでしまう、、

 

それじゃ人生ツマラナイ。 新しい年は、是非<Rational Process を

使いこなす人>、同じTDLを訪れるにしても、マネジメントの<心>

を探る客になってみて頂きたい、と思います。 

                          ■竹島元一■

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    ■今週の<私の写真集から>は、 ★画に向かう★

 

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